赤ちゃん・子どもをなくした家族のグリーフと支援に関する各種メディア記事

ウェブ上で読める記事で印象に残ったものを年代別で並べています。

*2000年代

*2010年

*2011年

「家族看護18」寄稿「赤ちゃんを亡くした遺族の声 ─ 医療者に伝えたいこと」 | 編集部のページ by 日本看護協会出版会

編集担当者が発信する、本と雑誌の関連コンテンツ病気や流産で赤ちゃんを亡くした家族を精神的に援助するための自助組織、NPO法人「SIDS家族の会」の広報担当理事・田上克男さんからの寄稿記事(p.155)の全文を、特別にご紹介します。  “赤ちゃんを亡くした遺族の声 ─ 医療者に伝えたいこと” 「SIDS家族の会」は、病気、または死産や流産で赤ちゃんを亡くした家族を精神的に援助するための自助組織である。ここでは、遺族の思いを挙げながら、医療者への願いを記す。 はじめに 医学が進歩しても、どうしても避けられない「死」がある。新生児や乳幼児についていえば、関係者たちの努力で乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome:以下,SIDS)の発生は減少してきたが、病気・流産・死産などのさまざまな理由で、いまだにたくさんの赤ちゃんが亡くなっている。しかも、遺族にとってつらいことに、その死の多くは祝福のすぐ隣にある。 赤ちゃんを亡くした家族は、そうたやすく死を認めることはできない。遺族は「なぜ、私の赤ちゃんが死んだのか?」と疑問をもち、その「なぜ?」に対する、正しいわかりやすい答えを求めている。その答えを得ることは、遺族が赤ちゃんの死を認め、歩き始めるために必要な条件の一つである。 そのような遺族を精神的に支えることを主目的として、「SIDS家族の会」(以下、当会)は設立し、また、遺族自身の手で運営している自助組織である。 遺族の願い 遺族のほとんどが、赤ちゃんとの別れの時、あるいは別れのすぐ後に、医療者と接触する。その時、遺族は「助けてください」という言葉は発しないが、医療者に救いを求めている。医療者にとっても患者の死は残念なことに違いないが、仕方のないことであると理解できるだろう。だが、遺族は特に赤ちゃんを亡くして間もない時期は、赤ちゃんの死をなかなか認めることはできない。また、遺族は患者ではないため、医療の対象ではないのかもしれないが、救われたいと切に願っている。その願いは、医療者にどのように届き、そして受け止められているのだろうか。 私たちが今までに聞いた遺族の声に、次のようなものがある。 「子どもが亡くなった直後、上の子の時の主治医が来てくださり、『僕は残念でなりません』と言って泣いてくれました。あの涙はどれだけありがたかったか……。私は忘れ

jnapcdc.com

*2014年

広がる 地域の輪

鴨川の七条大橋の西詰めを少し上がった町家。二階からは鴨川の流れが見える。同町家は3年前に設立された「京都グリーフケア協会」(京都市下京区)の拠点で、家族の死などの悲しみに対してどうケアしていくかという講習会「グリーフケアスクール」などを行っている。6月中旬、ここでSIDS家族の会のミーティングが開かれていた。  SIDSとは乳幼児突然死症候群のことで、亡くなった乳幼児の母親らに計り知れない悲しみと衝撃を与える。原因はよく分かっていないが、日本では毎年300人から400人が突然死しており、生後1カ月から4カ月ごろが最も多いとされる。  この日の家族会のミーティングには約10人が参加した。それぞれが自己紹介し、自らの体験を語る。昨年秋に子どもを亡くした夫婦も初めて参加し、他の参加者の話に耳を傾ける一方、自らの体験を切々と語った。実はこうした遺族たちが自分の心を打ち明ける機会はまずない。それだけにこの家族会の活動は貴重だ。同会幹部は「話すことによって心のとげが取れていくのです。話すことができないなら書くことも効果があります」と語る。  大きな悲しみにあった家族が自らの体験を語ったり、同様のことを体験した人たちの思いを聞くことによって、悲しい体験をしたのは自分一人ではないと思えることが救いへのきっかけになるという。これが心のケアにつながるのだ。たいていの場合、自らの体験をオープンにする際は泣きながらというケースが多いようだ。こうした現場ではビフレンダーが積極関与することが通例だ。ビフレンダーとは同様の体験をし、その悲しみを乗り越えただけでなく、落胆した人々をケアできるようになった人のことを指す。遺族の側にも共有体験があるという安ど感から、その存在は大きい。この日も参加者らはビフレンダーのアドバイスなどを受けながら自らの辛い体験を語り合った。  SIDS家族の会が設立された頃は、日本にはまだ赤ちゃんの死亡などによって悲しみを抱く遺族に対してケアが必要だという認識はほとんどなかった。こうしたなかで欧米の事情などを学んだ遺族の有志が立ち上がった。現在、遺族会員は約400人、一般会員約30人、医学・医療分野のアドバイザー約50人で組織している。全国に支部的な組織があり、近畿地区代表ビフレンダーには鍼灸(しんきゅう)師の田上克男さん(60)が就いている。田上さ

fukushi.kyoto-np.co.jp

*2016年

*2017年

*2018年

*2019年

*2020年

*2021年

*2022年

◆2023年

自らのグリーフについて知ること ~長引くコロナ禍でのさまざまな喪失の先に~

あらまし 新型コロナウイルスの国内感染者数は2千万人、死者数は4万4千人超(2022年10月時点)。20年の世界的流行から長引くコロナ禍により社会全体は大きな影響を受け、多くの人がさまざまな喪失を体験しています。今号では、医療や介護現場でも研修等で取り組まれているグリーフ(さまざまな喪失体験による悲嘆)とグリーフケアの取組みについて、上智大学グリーフケア研究所とグリーフサポートせたがやへの取材から紹介します。 グリーフは特別ではなく自然な悲嘆反応~一人ひとりの向き合い方で~ 大切なひとを失くす。思い描いていた人生が送れなくなる。死別だけではなく、人やもの、権利やつながりを失うことも含めあらゆる喪失による悲嘆反応を「グリーフ」といいます。特別なものではなく、誰もがいずれ経験する自然な反応です。その反応は身体面や精神面に現れることが多く、抑うつ状態が続き仕事どころではないほど、大きな影響を受ける場合もあります。その現れ方や期間は、同じ喪失体験をしても一人ひとり異なります。 「『もう1年も経つじゃない』、『早く立ち直りなさい』。そんな周囲の言葉は、喪失の悲しみや怒りの感情下の人にさらに刺さるもの。グリーフの只中にある人を孤独にさせる」と上智大学グリーフケア研究所特任教授の栗原幸江さんは話します。グリーフを知ることは、自らの状況を理解するだけでなく、グリーフを抱える他者を傷つけないことにつながります。 ◆グリーフと共に生きていくために 喪失体験後、自分のペースでグリーフと向き合い、自らの経験の一部として喪失体験を消化していく作業を「グリーフワーク」と呼びます。自分にしかその作業はできず、辛いこともあります。ただ、失った人について新たな気づきを得たり、改めて大切な思いを実感したりとその過程でみえることはとても貴重です。

ふくし実践事例ポータル

◆2024年

周産期グリーフケア情報ステーション

流産、死産、新生児死などで赤ちゃんをなくした家族のための情報を集めたサイトです。

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