継続する絆 〜供養や追悼について
赤ちゃんをなくしたご家族の悩みごとの1つに、ご位牌や納骨などの供養に関することが挙げられます。
両親、特に母親にとっては、お骨はお子さんそのものであり、手放すことはとてもつらく、長い間、自宅に安置し、手元供養をしたいと希望される方が多くいます。一方で、周囲の人は、「早く納骨しないと成仏できない」「親のためにもならない」などの理由を挙げ、早い時期での納骨を勧めることがあり、ご両親との間で意見が衝突し、もめることがあります。
供養をめぐって、家族間で諍いごとになることは、とてもつらいことです。
宗教的には、必ずしもいついつまでに納骨しなくてはいけない、という期限があるわけではありません。赤ちゃんや子どもをなくした両親の気持ちの整理がつくには年単位の時間が必要であり、納骨も通常よりゆっくりと考え、両親が納得できる形が一番であると思います。
また納骨する場合も、少量のお骨を分骨し、「手元供養」として自宅に安置したり、わずかなお骨を遺骨ペンダントに納めて、肌身離さず身につけることもできます。分骨は宗教的にも問題はなく、このような形で亡き子を偲ぶことで、慰めを感じられる親御さんは少なくありません。
赤ちゃんを亡くしたご両親の多くは若い世代であるため、葬儀や供養のことをよく知らず、不安や戸惑いを感じることが多いかもしれません。
供養で大切なのは、「赤ちゃんのことを大切に想う心」なので、形式にこだわる必要はありません。
呆然としている親御さんのために、周囲の家族がさまざまなことを先回りして決めてしまう場合がありますが、「赤ちゃんのためにしてあげたいこと」をご本人に確認しながら、悔いのないお見送りや供養ができるように協力していただければと願います。
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